一般的にフルサイズのカメラはボケやすく、コンデジなどのカメラはボケにくいと言われています。
これはカメラの仕組みの部分では間違いですが、実際の使用する範囲で言えば正解とも言えます。
ただ、なぜコンデジがぼけにくいのか仕組みまではよくわからない人がほとんどではないでしょうか。
今回はボケの仕組みを解説します。
ボケは3つの要素で決まる
カメラのボケは以下の3つの要素で決まります。
- F値
- レンズの焦点距離
- センサーサイズ
順を追って解説していきますね。
F値
ご存じF値です。
これは簡単で上の数字のようにF値が小さければ、小さいほどボケやすくなります。
レンズの焦点距離
これは望遠になればなるほど、ボケやすくなります。つまり、レンズの焦点距離の数字が大きくなるほどボケやすくなるということですね。
ボケやすさを比較する場合、レンズの実焦点距離を比べます。一眼レフのレンズでは実焦点距離が書かれていますが、コンデジなどでは本体に換算された焦点距離が書かれていることが多いので、説明書・メーカーHPで確認してくださいね。
35mm換算した焦点距離では比較できないので注意してください。
35mm換算がわからない人は下の記事もあわせてどうぞ!
https://surphoto-personal.net/2016/08/07/post-19/
センサーサイズ
これは直接的に写真のボケやすさに影響を与えるものではないのですが、前述した2つの要因に大きく関わってきます。
上のようにボケやすい状態をつくることが出来ます。
3つの要因のまとめ
以上の3つがボケに関わってきます。
では、なぜコンデジよりフルサイズの方がボケやすいのでしょうか?その仕組みを解説していきます。
フルサイズとコンデジ、ボケやすさは同じ
冒頭にも書いたようにカメラの原理で言えば、コンデジもフルサイズもボケやすさは変わりません。
「実際コンデジの方がぼけないよ!という人もいるかと思いますが、この2つのカメラにはセンサーサイズという違いがあり、それが「コンデジはボケにくい」という意識に繋がっています。
コンデジとフルサイズのセンサーはどの位大きさが違う?
フルサイズと呼ばれるセンサーは約36×24mmのセンサー(メーカー・機種によって若干の差があります)を指します。
対してコンデジに使われているセンサーは一般的なものであれば、1/2.3型というものが使われています。
1/2.3型は約6.2×4.7mmのセンサーでフルサイズと面積を比較すると約3.4%の大きさのセンサーになります。
※コンデジでもハイエンドのものだとセンサーはもう少し大きくなりますが、ここでは説明をはぶきます。
センサーが小さいとどうなる?
センサーが小さいと同じ焦点距離では写せる範囲が狭くなります。
例えば、両方に焦点距離50mmのレンズを使った場合、フルサイズは35mm換算で50mmですが、コンデジでは35mm換算279mmとかなり望遠になります。ですが、レンズの焦点距離は同じなので、F値が同じであればボケ具合は変わりません。
ただ、そんな望遠のレンズって正直出番が少ないですよね。使い勝手などを考えて大体のコンデジは差があれど、35mm換算で24mmから85mmくらいの間の焦点距離のものが多いです。35mm換算でその焦点距離にするには実焦点距離だと4.3-15mmになります。
つまり、フルサイズとコンデジでは同じ画角にしようとすると、コンデジの方が焦点距離が短くなります。
ボケやすさは「有効口径」によって決まる
さっそく見なれない単語が出てきたと思いますが、ボケやすさというのは「有効口径」という数値を基にして比較ができます。
そして、この有効口径を求める式が
です。この有効口径の数字が大きいほどボケやすくなります。
例えば、同じ画角で撮影したい場合
センサーがフルサイズで焦点距離が50mm、F値が1.8の場合
50÷1.8=27.78となりますが、
コンデジの場合、焦点距離9mm(35mm換算50mm)、F値が1.8の場合
9÷1.8=5となります。
つまり、フルサイズとコンデジで、同じ画角、同じF値で撮影した場合、フルサイズの方がボケることになります。
まとめ
実際の利用シーンではコンデジの方がボケないのは確かなんですが、カメラの仕組みとしてはボケやすさは変わらないということを理解しておきましょう。
こちらの記事もよく読まれています!