ニコンから新レンズ「AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED」が発表されました。
ニコンの魚眼レンズは現在FXフォーマット用の「Ai AF fisheye Nikkor 16mm f/2.8D」とDXフォーマット用の「AF DX fisheye Nikkor ED 10.5mm f/2.8G
」の2本があります。
「Ai AF fisheye Nikkor 16mm f/2.8D」は設計が古いので、フルサイズ機のユーザーが魚眼を買う場合クロップ機能を使って「AF DX fisheye Nikkor ED 10.5mm f/2.8G
」を使うか、SIGMAなどのサードパーティー製のレンズを使うというのが主な選択肢でした。
私も悩んだ末に純正ではなく、SIGMAの魚眼を買ったんですが同じような人もけっこう多いと思います。
今回発表された「AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED」はニコン初の魚眼ズームレンズで広角端で円周魚眼、テレ端で対角魚眼レンズになる1本で2度おいしい魚眼好きにはたまらないレンズに仕上がっています。
今回はそんな「AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED」の基本スペックの紹介や「Ai AF fisheye Nikkor 16mm f/2.8D
」「AF DX fisheye Nikkor ED 10.5mm f/2.8G
」との比較をしていきたいと思います!
AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E EDの基本スペック
型式 ニコンFマウントCPU内蔵Eタイプ、AF-Sレンズ 焦点距離 8mm-15mm 最大口径比 1:3.5-4.5 レンズ構成 13群15枚(EDレンズ3枚、非球面レンズ2枚、ナノクリスタルコートあり、フッ素コートあり) 画角 180°00′-175°00′(FXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ)
180°00′-110°00′(DXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ)焦点距離目盛 8、10、12、14、15mm(DX指標:約11mm) 射影方式 等立体角射影方式 ズーミング ズームリングによる回転式 ピント合わせ IF(ニコン内焦)方式、超音波モーターによるオートフォーカス、マニュアルフォーカス可能 撮影距離目盛 ∞~0.16m 最短撮影距離 0.16m(ズーム全域) 最大撮影倍率 0.34倍 絞り羽根枚数 7枚(円形絞り) 絞り方式 電磁絞りによる自動絞り 最大絞り ・焦点距離8mm時:f/3.5
・焦点距離15mm時:f/4.5最小絞り ・焦点距離8mm時:f/22
・焦点距離15mm時:f/29測光方式 開放測光 フィルター枠 レンズ後部に装備 マウントアダプターFT1適否 AF駆動可 寸法 約77.5mm(最大径)×83.0mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで) 質量 約485g 付属品 ・かぶせ式レンズキャップ LC-K102
・裏ぶた LF-4
・バヨネットフード HB-80
・レンズケース CL-1218出典:AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED – 主な仕様 | レンズ | ニコンイメージング
まずは「AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED」の基本スペックから見ていきましょう。
FXフォーマットのカメラで使用した際に広角端で円周魚眼、テレ端で対角魚眼という2つの特徴を持ったレンズです。
ズームレンズではありますが、実際は中間の焦点距離は4隅のケラレがでるため実際はあまり使わないかもしれません。円周魚眼と対角魚眼の2本が1本になったレンズというイメージを持っておけば間違いないでしょう。
キヤノンは「EF8-15mm F4L」という同じようなレンズを結構前に発売しているんですが、結構羨ましかったんですよね。ニコンでもようやく似たレンズが使えます。
最小絞り値はf/3.5-4.5となっています。若干暗めではありますが、設計的に限界があるんでしょう。
個人的にはキヤノンのようにF4通しの方が使いやすかったかなという気もします。
電磁絞りやフッ素コート、防塵防滴加工など最近のニコンレンズに備わっている仕様は「AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED」もしっかりと押さえていますね。
出典:AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED – 主な仕様 | レンズ | ニコンイメージング
レンズ構成は13群15枚でそのうちEDレンズ3枚、非球面レンズ2枚となっています。各収差などを抑えて高画質を追求しているようです。
ナノクリスタルコートももちろんされています。魚眼レンズは屋外で使う場合太陽などが画角に入りやすいので、逆光耐性が高いのは嬉しいですね。
各レンズとの比較
まずは、基本スペックの比較から。
主要な部分は下の表にまとめました。
AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED | Ai AF fisheye Nikkor 16mm f/2.8D | AF DX fisheye Nikkor ED 10.5mm f/2.8G | |
レンズ構成 | 13群15枚(EDレンズ3枚、非球面レンズ2枚、ナノクリスタルコートあり、フッ素コートあり) | 5群8枚 | 7群10枚(EDガラス1枚) |
最短撮影距離 | 0.16m(ズーム全域) | 0.25m | 0.14m |
最大撮影倍率 | 0.34倍 | 0.09倍 | 0.2倍 |
絞り方式 | 電磁絞りによる自動絞り | 自動絞り | 自動絞り |
絞り羽根枚数 | 7枚(円形絞り) | 7枚 | 7枚(円形絞り) |
最大絞り | 広角端f/3.5~ テレ端f/4.5 |
f/2.8 | f/2.8 |
最小絞り | 広角端f/22~ テレ端f/29 |
f/22 | f/22 |
寸法 | 約77.5mm(最大径)×83.0mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで) | 約63mm(最大径)×57mm(長さ:バヨネット基準面からレンズ先端まで)、全長約68mm | 約63mm(最大径)×62.5mm(バヨネットマウント基準面からレンズ先端まで) |
重量 | 約485g | 約290g | 約305g |
「AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED」のスペックの高さが際立っていますね。
フルサイズ機で魚眼を使うなら個人的にはほぼ一択といってもいいくらいです。
最短撮影距離も短く、被写体に寄りやすいのもいいですね。
「Ai AF fisheye Nikkor 16mm f/2.8D」「AF DX fisheye Nikkor ED 10.5mm f/2.8G
」のメリットとすれば、開放F値2.8という明るさでしょうか。
「AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED」と比べて、広角端で2/3段、テレ単4/3段の違いがあります。
対角魚眼の方が日常的に使うシーンが多そうなので開放F値が暗いと考える人にとっては選択肢に挙がってきます。
APS-C機で使う場合はフルサイズ機の購入予定があるかどうかがポイントになりそうです。
今後、フルサイズ機へ移行するなら「AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED」であれば、性能をフルに活かすことができます。
APS-C機からフルサイズに変える気がないのであれば、「AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED」は「AF DX fisheye Nikkor ED 10.5mm f/2.8G
」よりも暗い対角魚眼になります。
解像度などの部分にメリットを見いだせない限りは「AF DX fisheye Nikkor ED 10.5mm f/2.8G」で充分だと思います。
価格
購入の際に検討材料になるのが価格ですね。
それぞれのレンズの価格は実売で以下の通りです。
- 「AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED
」…実売13万~15万円程度
- 「Ai AF fisheye Nikkor 16mm f/2.8D
」…実売8万円~12万円程度(中古6万円程度~)
- 「AF DX fisheye Nikkor ED 10.5mm f/2.8G
」…実売7.5万~9万円程度(中古5万円程度~)
以外と大きな価格差はないですね。
プラス5万円程度で円周魚眼レンズも手に入ると考えれば、「AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED」は中々魅力的な選択です。
ただ、中古となるとかなり安くなるので価格を抑えて魚眼を手に入れたいなら中古レンズも視野にいれてよさそうです。
まとめ
今回はニコン初の魚眼ズームレンズ「AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED」の紹介と比較をしました。
ようやくフルサイズ用の魚眼レンズが出たと思ったら、期待以上の製品が発表されていました。
これ1本あれば、魚眼レンズの楽しみが味わい尽くせると言っても過言ではないレンズだと思います。
発売は6/30を予定しています。
楽しみに待ちたいですね!