5/31にニコンが新しい広角単焦点レンズ「AF-S NIKKOR 28㎜ f/1.4E ED」を発表しました。
前モデルに当たる「Nikon AF Nikkor 28mm F1.4D」の発売が2002年とかなり古く既に販売終了しているレンズのため、28mmの単焦点レンズが欲しい人はほとんどの方が「AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G」を購入していたかと思います。
今回は新レンズである「AF-S NIKKOR 28㎜ f/1.4E ED」のスペックや「Nikon AF Nikkor 28mm F1.4D」「AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G」との比較をしていきます!
AF-S NIKKOR 28㎜ f/1.4E EDの基本スペック
型式 ニコンFマウントCPU内蔵Eタイプ、AF-Sレンズ 焦点距離 28mm 最大口径比 1:1.4 レンズ構成 11群14枚(EDレンズ2枚、非球面レンズ3枚、ナノクリスタルコートあり、フッ素コートあり) 画角 75°(FXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ)
53°(DXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ)ピント合わせ RF(リアフォーカス)方式、超音波モーターによる オートフォーカス、マニュアルフォーカス可能 撮影距離目盛 ∞~0.28m 最短撮影距離 0.28m 最大撮影倍率 0.17倍 絞り羽根枚数 9枚(円形絞り) 絞り方式 電磁絞りによる自動絞り 最大絞り f/1.4 最小絞り f/16 測光方式 開放測光 アタッチメントサイズ(フィルターサイズ) 77mm(P=0.75mm) マウントアダプターFT1適否 AF駆動可 寸法 約83.0mm(最大径)×100.5mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで) 質量 約645g 付属品 ・77mmスプリング式レンズキャップ LC-77
・裏ぶた LF-4
・バヨネットフード HB-83
・レンズケース CL-1118
まずは基本スペックから。
レンズ構成が11群14枚でEDレンズ2枚・非球面レンズ3枚・ナノクリ・フッ素コートの贅沢設計。(上図の黄色がEDレンズ、青が非球面レンズです)
非球面レンズ3枚の採用によって、ディストーションを最小限に抑え、高い点像再現性が実現しています。
また、EDレンズ2枚によって色収差の補正、ナノクリスタルコートがゴーストやフレアをしっかりと抑えるため、高い描写力を持つレンズです。
さすがハイエンドレンズなだけはあるなーという印象ですね。
ここ最近のニッコールレンズは続々と電磁絞りに対応してきていますが、「AF-S NIKKOR 28㎜ f/1.4E ED」も電磁絞りに対応しています。
各レンズとの比較
ここからは各レンズとの性能の違いをみていきましょう。
各レンズの基本スペック
「AF-S NIKKOR 28㎜ f/1.4E ED」「Nikon AF Nikkor 28mm F1.4D」「AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G」の基本スペックは以下の表の通りです。
AF-S NIKKOR 28㎜ f/1.4E ED | Nikon AF Nikkor 28mm F1.4D | AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G | |
レンズ構成 | 11群14枚(EDレンズ2枚、非球面レンズ3枚、ナノクリスタルコートあり、フッ素コートあり) | 8群11枚 | 9群11枚(非球面レンズ2枚、ナノクリスタルコートあり) |
最短撮影距離 | 0.28m | 0.35m | 0.25m |
最大撮影倍率 | 0.17倍 | 0.12倍 | 0.21倍 |
絞り方式 | 電磁絞りによる自動絞り | 自動絞り | 自動絞り |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) | 9 枚 | 7枚(円形絞り) |
最小絞り | f/1.4 | f/1.4 | f/1.8 |
最大絞り | f/16 | f/16 | f/16 |
寸法 | 83.0mm(最大径)×100.5mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで) | 75mm(最大径)x77.5 mm | 73mm(最大径)×80.5mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで) |
重量 | 645g | 520g | 330g |
気になったポイントとしては最短撮影距離でしょうか。
「AF-S NIKKOR 28㎜ f/1.4E ED」に比べて、「AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G」の方が3cm寄れるようになっています。
それに伴って撮影倍率も「AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G」が0.21倍、「AF-S NIKKOR 28㎜ f/1.4E ED」が0.17倍となっています。
寄れるレンズが欲しいということであれば「AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G」の方が好ましいですね。
その他のレンズの設計に関しては「AF-S NIKKOR 28㎜ f/1.4E ED」が圧倒的に素晴らしいです。
EDレンズや非球面レンズをふんだんに採用し、各収差をしっかりと抑える設計になっていますし、絞り羽根も9枚なので点光源もしっかりと円形になりそうです。
ネックとしてはやはり重量でしょうか。「AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G」が330gに対し、「AF-S NIKKOR 28㎜ f/1.4E ED」は645gと2倍弱の重量差があります。
性能を考えると致しかたない部分ではありますが、重い機材が好ましくない人にとっては辛いところです。
価格
やっぱり気になるのが、価格ではないでしょうか。
各レンズのおおよその実売価格は以下の通りです。
- AF-S NIKKOR 28㎜ f/1.4E ED…実売21万~26万円程度
- Nikon AF Nikkor 28mm F1.4D…中古20万円程度~
- AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G…実売6.5万~8万円程度(中古4.5万円程度~)
「AF-S NIKKOR 28㎜ f/1.4E ED」はニコンのf/1.4の単焦点としては平均的な金額ですね。
「AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G」も同じような印象です。この価格でナノクリレンズなので、コスパという面では改めて考えてもすごいレンズですね。
「Nikon AF Nikkor 28mm F1.4D」は販売終了したのが、2006年ごろと古く、中古市場でもほとんどレンズが出回っていないためプレミア化しているようです。
手に入れることも大変なため、よほどの拘りがないかぎりは購入対象にしなくてもよさそうです。
まとめ
今回はニコンの新レンズ「AF-S NIKKOR 28㎜ f/1.4E ED」の紹介と比較をしてきました。
f/1.4という明るい広角レンズなので星景や風景・ポートレートなどさまざまなジャンルの撮影で力を発揮してくれそうなレンズですね。
重量や最短撮影距離。・価格といった面では「AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G」にもアドバンテージがあるので、使いかたや予算に合わせてレンズを選択できるラインナップになりました。
「AF-S NIKKOR 28㎜ f/1.4E ED」の発売日は6/30を予定しているようです。
楽しみに待ちたいですね!
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