カメラ雑誌などを読んでいると出てくる用語の「被写界深度」
写真をはじめたての人にはよくわからない単語ですよね。
写真の用語って聞いたことのない言葉が多くいので、初心者が写真についての知識を知りたいと思ってもなかなかわからないことも多いと思います。
今回はそんな「被写界深度」について1から丁寧に解説します。
被写界深度≒ピントの合っている範囲
結論から言ってしまうと被写界深度とは「ピントが合っている範囲」のことをさしています。
上の写真を見てください。
この写真は、写真のほぼ全体にある程度ピントがあっているように見えますよね。
このような状態の写真を「被写界深度が深い写真」といいます。
反対にこの写真では、イルミネーションのほとんどがボケています。
ピントが合っている範囲はスマホを構えた手の部分だけですね。
このような状態の写真を「被写界深度の浅い写真」といいます。
厳密に言うと…
もう少し詳しく話すと写真を撮る時にピントが合う範囲というのは、写真に写る平面上のうちある1点のみなんです。
上図でいうと、被写体の顔にピントを合わせているので正確に言うと被写体の顔だけピントが合っています。
ただし、プリントをしたり、PC上で鑑賞した際に人間の目でピントがあっていないことが感知できないのであれば、ピントが合っているとみなすため実際の写真でのピントが合っていると判断される範囲は上図に⇔で示したように一定の範囲があります。
そのため、被写界深度について正確に書くならば「被写界深度=ピントが合っているとみなしてよい範囲」と言えます。
被写界深度とカメラ・レンズの関係性
被写界深度は「ピントが合っている範囲」ということはわかったかと思います。
では、実際カメラを使う際にどのように関わってくるのかを見ていきましょう。
まず、被写界深度の深さにはレンズの焦点距離・絞り(F値)・センサーサイズの3つが関わってきます。
詳しく解説していきます。
レンズの焦点距離
被写界深度はレンズの焦点距離が短いほど深くなり、焦点距離が長いほど浅くなります。
つまり、広角レンズは被写界深度を深くしやすく、望遠レンズは被写界深度を浅くしやすいということです。
また、焦点距離は35mm換算の焦点距離ではなく、レンズの実焦点距離での比較になります。(後述するセンサーサイズにも関わってきます。)
絞り(F値)
絞りについては、体感的にも理解している人は多いかと思いますが、絞りを絞るほど(F値を大きくするほど)被写界深度が深くなり、絞りを開く(F値を小さくするほど)被写界深度が浅くなります。
これに関してはあまり難しい話ではないですね。
センサーサイズ
同じ画角で写真を撮った場合、センサーサイズが小さいカメラほど、被写界深度が深くなりやすく、センサーサイズが大きいカメラほど被写界深度が浅くなります。
これはセンサーサイズが小さくなるほど、レンズに写る範囲が狭く(望遠)になるためです。
例えば、APS-Cサイズのセンサーのカメラに18mm(35mm換算28mm)のレンズを付けて撮った写真とフルサイズセンサーのカメラに28mmのレンズを付けて撮った写真ではフルサイズセンサーのカメラで撮った写真の方が被写界深度が浅くなります。
レンズの焦点距離の部分で書いたように焦点距離が短いほど被写界深度は深くなるので、APS-Cセンサーはフルサイズセンサーよりも被写界深度を深くしやすいカメラと言えます。
まとめ
今回は被写界深度について紹介しました。
難しそうに聞こえる単語ではありますが、理解すれば何てことはない言葉ですよね。
とりあえず、「被写界深度≒ピントの合っている範囲」だけでも覚えてもらえれば大丈夫です。
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